大阪府C問題は英語力だけでは足りない|内容理解力と伸ばし方
2026/10/16
はじめに
当ホームページをご覧いただきありがとうございます!元高校講師が経営する西宮・今津の習いごと教室&自習型学習塾のWillBeです!
「単語も文法もかなり覚えたのに、C問題の過去問になると点が伸びない」
「英文は訳せているはずなのに、選択肢で迷って時間が足りなくなる」
大阪府の公立高校入試で、英語の「C問題(発展的問題)」に取り組む中学生から、よく聞く悩みです。C問題では、英語の知識に加えて、書かれている内容そのものを理解し、整理する力が問われます。今回は、大阪府教育委員会が公表している資料と、実際の令和8年度C問題をもとに、C問題で求められる「内容理解力」と、その伸ばし方をお伝えします。
C問題とはどんな試験か
大阪府の公立高校入試(一般入学者選抜)では、国語・数学・英語について、府教育委員会が「A(基礎的問題)」「B(標準的問題)」「C(発展的問題)」の3種類を作成し、各高校がどれを使うかを選択します。選択結果は事前に公表されるため、志望校がどの問題を使うかは、必ず府教育委員会の資料で確認してください。
府教育委員会の「令和9年度大阪府公立高等学校入学者選抜における学力検査問題等について」では、英語C問題は次のように説明されています。
・筆答:「標準的・発展的な内容の英文の中から、話題や論理の流れに沿って必要な情報を素早く読み取る力」と「一定量以上のまとまりのある内容を英文で適切に表現する力」を問う
・リスニング:聞き取る力に加えて、「『読む・聞く・書く』技能を統合的に活用する力」を問う
・問題文は、指示文を含めすべて英語
・検査時間:筆答30分+リスニング25分の計55分、90点満点。リスニングの配点は約3分の1(A・B問題は約5分の1)
注目していただきたいのは、筆答がわずか30分だという点です。A・B問題の筆答は40分なので、C問題は短い時間で、より多くの英文を読みこなすことが前提になっています。
実際の問題に見る「英語力だけでは足りない」理由
令和8年度のC問題(府教育委員会が公表)を見ると、筆答は大問6題で構成されていました。
・大問1:語句を正しい語順に並べた選択肢を選ぶ問題(6問)
・大問2:高校生の科学への関心を調べた調査のグラフと英文を読み、数値の比較を読み取る問題
・大問3〜5:長文読解3題。テーマは宇宙で植物を育てる研究、江戸時代から続く「裂き織り」という布の再利用の技法、微生物の力を借りて田んぼで電気をつくる研究
・大問6:「協力して目標を達成するとき、大切なことは何か」について、経験や例を挙げて理由とともに英語で書く問題
長文のテーマは、理科・社会・伝統文化にまたがっています。そして設問の多くは、単語の意味を知っているだけでは解けない形です。
・文を入れる位置を選ぶ問題:段落の中で、どこに置けば話の流れが自然につながるかを判断する
・指示語が何を指すかを選ぶ問題:「that」「them」が、前の文のどの内容を受けているかを特定する
・文の並べ替え:「しかし」「だから」といったつなぎ言葉を手がかりに、論理の順序を組み立てる
・内容に合う文を選ぶ問題:本文の一部の語句を使いながら、内容とずれた選択肢を見抜く
リスニングでも同じことが言えます。令和8年度のPart Aには、相手の言葉の「意味するところ」を問う問題がありました。発言をそのまま訳すだけではなく、会話の状況からその人が何を言いたいのかを推し量る必要があります。Part Cでは、文化祭の企画についての会話を聞き、その内容を英語でまとめて書く問題に6分が与えられていました。聞いた情報を整理し直して書く力が、そのまま得点になります。
つまり、C問題で差がつくのは「英文を日本語に置き換えられるか」ではなく、「その英文で何が言われているのかを、筋道立てて理解できるか」です。
「内容理解力」を分けて考える
ひと口に「内容理解力」と言っても、いくつかの力が組み合わさっています。お子さまがどこでつまずいているのかを考えるために、分けて整理しておきます。
・要点をつかむ力:段落ごとに「結局、何が言いたいのか」を一言でまとめられる
・論理の流れを追う力:However・So・For example などのつなぎ言葉から、話が「逆転するのか」「結論に向かうのか」「具体例に入るのか」を予測できる
・指示語を追う力:it・this・that・them が指す内容を、前の文から正確に拾える
・背景知識:環境、科学技術、伝統文化、地域社会など、説明文によく出るテーマについて、日本語で基本的なことを知っている
・情報を整理し直す力:グラフや会話の中から必要な情報だけを取り出し、自分の言葉で組み立て直せる
このうち背景知識は、英語の勉強だけでは身につきにくい部分です。同じ英文でも、内容に見当がつくテーマなら速く正確に読めます。逆に、日本語で読んでもピンとこないテーマは、英語ではなおさら読みにくくなります。
家庭でもできる、内容理解力の伸ばし方
① 長文を読んだら「日本語で3行要約」をする
問題を解いて答え合わせをしたら終わり、にしないことが大切です。読み終えた英文について、何も見ずに日本語で3行程度にまとめる練習をおすすめします。全文和訳よりも短時間ででき、「訳せたつもりで内容をつかめていない」状態にすぐ気づけます。保護者の方は、お子さまの要約を聞いて「それで、結局どういうこと?」と一言たずねるだけでも十分です。
② つなぎ言葉と指示語に印をつけて読む
However・Also・So・For example などのつなぎ言葉には丸、it・this・that・they などの指示語には下線、と決めて読む習慣をつけます。指示語には「何を指すか」を矢印で書き込みます。最初は時間がかかりますが、論理の流れを目で追う習慣がつくと、文を入れる位置の問題や並べ替えの問題で迷いにくくなります。
③ 日本語で「説明文」に触れる量を増やす
C問題の長文は、科学や社会、文化をテーマにした説明文が中心です。理科・社会の教科書や資料集、新聞やニュースの解説記事など、日本語の説明文を読む機会を意識的に増やすことが、遠回りに見えて効果的です。「宇宙」「環境」「エネルギー」「伝統工芸」といったテーマについて、日本語で一度考えたことがあるかどうかで、英文の読みやすさは大きく変わります。
④ グラフ・表の英語表現をまとめて覚える
グラフを読み取る問題では、higher than、the same percentage、more than 20 percent のような比較や割合の表現がくり返し使われます。こうした表現は数が限られているので、出てきたものをノートにまとめておくと、本番で数字を落ち着いて読み比べられるようになります。
⑤ 時間を計って解き、「どこで時間を使ったか」を記録する
筆答30分で長文4本と英作文に取り組むC問題では、時間配分も実力のうちです。過去問は必ず時間を計って解き、大問ごとにかかった時間を書き残してください。「長文の最初の1本で時間を使いすぎている」「英作文を書く時間が毎回足りない」など、改善点が具体的に見えてきます。
⑥ 英作文は「主張→理由→経験や例」の型で練習する
令和8年度の大問6のように、C問題の英作文では、自分の考えに理由と経験・例を添えて書くことが求められます。まず日本語で「主張・理由・具体例」を一行ずつメモしてから英語にする練習をすると、書く内容に迷う時間が減ります。中身が整理できていれば、使う英語は中学で習う表現で十分です。
⑦ リスニングは「聞いた内容を英語で言い直す」まで練習する
Part Cのように、聞いた内容をまとめて書く問題に対応するには、聞き取りの練習を「答えを選んで終わり」にしないことです。スクリプトを使って、聞いた内容を自分の英語で2〜3文に言い直す練習を加えると、「聞く」と「書く」がつながっていきます。
語彙・文法の土台も、もちろん欠かせない
「英語力だけでは足りない」とお伝えしてきましたが、語彙や文法が不要という意味ではありません。府教育委員会は、英語の学力検査は「大阪版 中学校で学ぶ英単語集(令和4年6月改訂)」から出題するとしています。大問1のような語順の問題は、文法の知識がなければ解けません。
語彙・文法は「最低限の土台」、内容理解力は「その上で点を取るための力」と考えてください。土台が固まってきた段階で、内容理解の練習に重心を移していくのがおすすめです。
なお、大阪府の入試では英検などの外部検定のスコアを英語の学力検査の点数に読み替える制度があり、令和8年度選抜の実施要項では、英検準1級・1級が読み替え率100%、2級が80%とされていました。読み替えた点数と当日の点数のうち高い方が採用される仕組みです。今後の入試での扱いは変更される可能性もあるため、受験年度の実施要項で必ずご確認ください。大阪府の内申点の仕組みについては「不登校からの高校受験」の記事でも触れています。
自習塾WillBeでの取り組み
自習塾WillBeの英語コーチングでは、長文問題を「解いて丸つけをして終わり」にせず、読んだ内容を日本語で説明してもらうところまでを一つの流れにしています。説明が詰まったところが、そのお子さまにとっての本当の弱点だからです。
また、過去問や演習の記録を残し、大問ごとの時間配分や、つまずいた設問の種類(指示語・文挿入・内容一致など)を一緒に振り返ります。「なんとなく点が取れない」を、次に何を練習すればよいかが分かる状態に変えていくことを大切にしています。
まとめ
大阪府の英語C問題は、すべて英語で書かれた問題を、筆答30分という短い時間で読み解く試験です。差がつくのは、単語や文法の知識そのものよりも、英文の内容を筋道立てて理解し、整理し直す力です。
日本語での要約、つなぎ言葉と指示語への注目、説明文に触れる量を増やすこと、時間を計った演習——どれも今日から始められることばかりです。語彙・文法の土台の上に、内容理解の練習を少しずつ積み重ねていきましょう。
自習塾WillBeでは、日々の学習習慣づくりから、中学受験・高校受験、大学受験(総合型選抜・公募制推薦・一般入試)まで、一人ひとりに合わせた学習コーチングを行っています。英検対策のご相談も承っております。西宮・今津エリアで塾をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。





