不登校の勉強の遅れ|家庭でのサポートと「出席扱い」
2026/09/04
不登校で勉強の遅れが心配なとき、家庭でできるサポートは?「出席扱い」制度もあわせて解説
当ホームページをご覧いただきありがとうございます!元高校講師が経営する西宮・今津の習いごと教室&自習型学習塾のWillBeです!
「学校を休んでいる間に、勉強がどんどん遅れていくのが心配」
「家では何も手につかない様子。声をかけていいのか、そっとしておくべきなのか分からない」
不登校のお子さまを持つ保護者の方から、こうしたご相談を数多くいただきます。今回は、不登校のお子さまの「勉強の遅れ」との向き合い方と、家庭でできるサポートについてお伝えします。
不登校は、決してめずらしい状況ではありません
文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人で過去最多となりました。1,000人あたりでは38.6人、およそ26人に1人という計算になります。高等学校でも67,782人(1,000人あたり23.3人)が報告されています。
一方で、この調査では新規に不登校となった児童生徒数が9年ぶりに減少しており、増加率も前年度の15.9%から2.2%へと大きく下がりました。学校側の支援体制が少しずつ整いつつある、という見方もできる数字です。
また、不登校のきっかけとして最も多く挙げられているのは「学校生活に対してやる気が出ない」(30.1%)、次いで「生活リズムの不調」(25.0%)、「不安・抑うつ」(24.3%)でした。「勉強が分からないから行けない」という単純な図式ではないケースが多いことが分かります。
だからこそ、勉強の遅れを取り戻すことを最優先にして急かしてしまうと、かえって回復を遠ざけてしまうことがあります。まずは、お子さまの状態を見ながら順番を考えることが大切です。
「全部取り戻す」ではなく、優先順位をつける
休んでいた期間が長いほど、「どこから手をつければいいのか分からない」という状態になりがちです。ここで全教科を均等に埋めようとすると、量に圧倒されて動けなくなってしまいます。
現実的なのは、積み上げ型の教科を優先するという考え方です。
・英語・数学(算数)は先に手を入れる:この2教科は、前の学年・前の単元の理解が次の内容の土台になります。抜けを放置したまま先に進むと、その後ずっと分からない状態が続いてしまいます
・理科・社会は後からでも巻き返しやすい:単元ごとの独立性が比較的高く、必要になったタイミングでまとめて学び直すことが可能です
・国語は読書や日常の会話でも力がつく:机に向かうことが難しい時期でも、続けられる形があります
「どこでつまずいているか」が分からないまま闇雲に進めても効果は上がりません。学年をさかのぼって、解ける単元と解けない単元の境目を見つけるところから始めるのが遠回りのようで近道です。
自宅での学習が「出席扱い」になる制度があります
意外と知られていないのですが、自宅でICT等を活用して学習した場合に、校長の判断で指導要録上「出席扱い」にできる制度が、文部科学省の通知として整備されています(令和元年10月25日「不登校児童生徒への支援の在り方について」等)。
この制度で示されている主な要件は、次のようなものです。
1. 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
2. ICT(パソコン・インターネット・遠隔教育システム等)や郵送・FAXなどを活用した学習活動であること
3. 訪問等による対面指導が適切に行われ、学習支援や自立に向けた支援が定期的・継続的に行われること
4. お子さまの理解の程度を踏まえた、計画的な学習プログラムであること
5. 校長が、定期的な報告や連絡会などを通じて学習状況を十分に把握していること
6. 基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合に行う学習活動であること
7. 学習の成果を評価に反映する場合は、学校の教育課程に照らして適切と判断されること
ここで見落としてはいけないのが、すべての出発点が「学校との連携」だという点です。家庭で教材やオンライン学習に取り組むだけで自動的に出席扱いになるわけではなく、事前に学校(担任・管理職)へ相談し、どのような学習をどう報告するかを取り決めておく必要があります。
適用の判断は最終的に校長に委ねられており、運用は学校・自治体によって異なります。まずは在籍校に「この制度を使いたい」と相談することから始めてください。出席日数は高校受験の調査書にも関わるため、早めに動くほど選択肢が広がります。
学校以外にも、学びの場は複数あります
「学校か、家か」の二択で考えると行き詰まってしまいますが、実際にはその間にいくつもの選択肢があります。
・教育支援センター(適応指導教室):市町村の教育委員会が設置する公的な施設で、学習支援や相談を受けられます。ここへの通所は出席扱いとされるのが一般的です
・校内の別室・サポートルーム:教室には入りづらいけれど学校までは行ける、という段階のお子さまの居場所になります
・学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校):不登校の児童生徒の実態に配慮し、通常の教育課程の基準によらない特別の教育課程を編成できる学校です。全国で設置が進んでいます(最新の設置状況は文部科学省のページでご確認ください)
・フリースクール等の民間施設:施設によって方針も費用も大きく異なるため、実際に見学して選ぶことをおすすめします
西宮市の場合は、市教育委員会が教育支援センター「あすなろ」を市内複数箇所に開設しており、学習補助サポーターによる学習支援と相談対応を行っています。学校の別室に「居場所サポーター」を派遣する事業や、リモートでつながる「あすなろオンライン」も実施されています。利用は在籍校を通じての申し込みとなります。相談先は西宮市教育委員会 児童生徒支援課(電話 0798-35-3812)です。
※制度・窓口の内容は変更される場合があるため、最新情報は西宮市の不登校児童生徒への支援のページや各自治体の教育委員会でご確認ください。
家庭でできる、勉強面のサポート
生活リズムを先に整える
先ほどの調査で「生活リズムの不調」が上位に挙がっていたとおり、昼夜逆転した状態で学習だけを立て直そうとしても、なかなかうまくいきません。起きる時間を一定にすることが、結果的にいちばんの学習支援になることがあります。
ハードルは思い切り下げる
「1日1時間」ではなく「1日5分」「1問だけ」から始めます。目的は量をこなすことではなく、勉強から完全に離れてしまわないことです。5分でも続いていれば、再開したいと思ったときの心理的な負担がまったく違います。
「できた」を目に見える形にする
学習時間や取り組んだページを記録して、積み上がっていくのが見えるようにします。学校に行けていない状態では「自分は何もできていない」という感覚に陥りやすいため、記録そのものが支えになります。
学校とのやりとりは保護者が引き受ける
出席扱いの相談も、教材やプリントの受け取りも、窓口は保護者の方が持つ形にしておくと、お子さまの負担がぐっと減ります。
逆に、避けたい関わり方
・他の子や以前のお子さまと比べる:「去年はできていたのに」という言葉は、本人がいちばん気にしていることです
・「このままだと将来どうなるの」と不安をぶつける:保護者の方の不安は当然ですが、それを本人に預けても解決には向かいません
・完全に触れないでおく:気を遣って勉強の話を一切しないでいると、「見放された」と受け取られることもあります。「いつでも再開できる」と伝わる程度の距離感が理想です
・回復のきざしが見えた瞬間に一気に詰め込む:少し動けるようになったタイミングで一気に予定を入れると、反動が出やすくなります
WillBeでの取り組み
自習塾WillBeでは、スタディプラスを活用して学習時間と進捗を可視化しながら、週単位のPDCAサイクルで計画・実行・振り返りを重ねる「学習コーチング」を行っています。
学校を休んでいる期間のお子さまについては、どこまでさかのぼって学び直すかを一緒に決め、通える頻度・時間帯もその時の状態に合わせて調整する形でサポートしています。「週1回・短時間から」というスタートでも構いません。また、出席扱いの制度を利用される場合、その運用は在籍校との取り決めが前提となりますので、学校とどう相談を進めるかについてもご一緒に考えます。
なお、不登校のお子さまの高校受験(内申点の扱いや受験校選び)については、こちらの記事で詳しくご説明しています。あわせてご覧ください。
まとめ
不登校による「勉強の遅れ」は、全部を一度に取り戻す必要はありません。積み上げ型の英語・数学から優先順位をつけること、自宅学習が出席扱いになる制度を学校と相談しておくこと、教育支援センターなど学校以外の選択肢を知っておくこと——この3つを押さえておくだけで、進路の選択肢は大きく変わります。
そして何より、生活リズムを整え、5分でも学びを止めないこと。それが、お子さまが再び動き出したときの土台になります。
自習塾WillBeでは、日々の学習習慣づくりから、中学受験・高校受験、大学受験(総合型選抜・公募制推薦・一般入試)まで、一人ひとりに合わせた学習コーチングを行っています。英検対策のご相談も承っております。西宮・今津エリアで塾をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。





